Title: APB 10th Anniversary__Dura-Ace 7800 (Pashley Almond Green)
車種:Alex Moulton_APB
Date:2005年7月
No.011
Moku《改》No.011は、
APB10周年記念数量限定モデルの
カスタマイズをご紹介します。
軽量で剛性も高く、
上質なチタン素材のパーツをふんだんに取り入れ、
既製品では装着できないパーツには、
ワンオフでパーツの製作依頼をされたりと、
随所にこだわりが見られます。
個性的なセレクトで構成しながらも、
とてもシンプルにまとまっているカスタム事例です。
1.『まだ誰も装着していない個性的なもの』として[A-CLASS]の軽量ホイールをさらにカスタマイズした仕様を提案。まず完組ホイールをバラし、リムをポリッシュに。ハブも交換し、チタンスポークで軽量化。重量も見た目も軽くなって、世界で1セットしか存在しないホイールが完成。
2.ハブには[ZIPP]製の肉抜き軽量カーボンハブをセレクト。ホイールのリム穴は、フロント20H、リア24Hと、かなり特殊で、ポリッシュリムに似合うハブを探すのに悪戦苦闘。しかし、その甲斐あって、個性的でハードなデザインのハブを見つけ、装着。
3.ステムには、上品な[TNI]のチタン製をセレクト。ヘッドセットは[CHRIS KING]をチョイス。ポイントにブラックを配してバランス良く仕上がっています。
4.APB10周年記念モデルの特徴でもあるセミドロップハンドル。かなり主張のあるデザインなので、周りのパーツは控えめに。アルミ削り出しが上品な[PAUL]ブレーキレバーに、[SRAM]グリップシフトを組み合わせて、レバー類をブレーキのみに抑えました。
5.シートポストは、英国[USE]をセレクト。ヤグラの形状が美しく、スマートなデザイン。素材はステムに合わせて、チタン製をチョイス。英国メーカーということもあって、Mokuで人気の高いブランド。
6.フランスのメーカー[STRONG LIGHT]の個性的なカーボンクランク。かなり肉抜きされたデザインは、軽量かつ斬新で、注目度NO.1のクランクです。
7.標準のフレームのままではショートリーチタイプのキャリパーブレーキは装着できませんが、取付け位置を変更する[Mokuオリジナル]ブレーキ台座を使用し、装着可能に。
8.10周年記念モデルは、リアフレームがキャリパーブレーキ専用に設計されていますが、ショートリーチタイプを装着する際、さらに取付位置を変更する必要があるため、このフレーム専用にワンオフで[Mokuオリジナル]ブレーキ台座を製作。
9.メインコンポーネントは、[Shimano]DURA-ACE7700の9段。シフターにShimano対応[SRAM]9段用グリップシフトを装着。
10.サイクルメーターには、ペダルの回転数が計測できるケイデンス機能(車でいうタコメーター)がついたワイヤレス[Cat eye]CC-CD300DWをセレクト。
3.純正のピボットボルトでは、クランクと干渉してしまうため、ピボットボルトを削ります。
4.[Cat eye]CC-CD300DWは、元々MTBやロードバイクなど車輪の大きい自転車用に発売されており、ケイデンスセンサー(左)とスピードセンサー(右)が一体形状になっています。小径車の場合、車輪が小さいため、画像のようにスピードセンサーが車輪の計測マグネットまで届きません。
13.職人が作り上げ、高度な技術が必要とされる[日東]ドリンクゲージ。このモデルは、Alex Moulton刻印入りで、細くて軽いステンレスパイプ製。
14.サドルは、英国製[Brooks]スイフト本革サドルをセレクト。細身でレーシングなデザインのスイフトは、軽量チタンレールを採用した上級モデル。本革グリップに合わせてブラックをチョイス。鋲の真鍮がクラシックなイメージ。
7.その純正センサーキットに、ハンダで配線を延長し、水が入らないようにシーリング材で固めます。
8.シーリング材のままでは目立つので黒を塗りました。ここで第一段階が終了です。
11.CC-CD300DWのスピードセンサーと、[Mokuオリジナル]センサー台座を装着した状態。
12.ケイデンスセンサーと、配線を延長し、スピードセンサーを取り付けた完成画像。
11.クルマに載せる2+4スタイルでツーリングを楽しまれる場合が多いため、ワンタッチで脱着可能な[ MKS ]EZYペダルのビンディングタイプ(新発売)を装着。EZYシリーズはアダプターが共有できるので、シーンに合わせてフラットEZYペダルと使い分けされています。
12.シンプルにまとめるために、シートクイックを外してボルト締めに。AMシリーズのようにヘリサート加工を施しました。
1.APBにAヘッドタイプのステムを装着する際、ステムポストが必要になりますが、キャップのサイズがステムに比べ大きく、見た目の相性も良くないため、元のキャップを使わずに[CHRIS KING]のキャップを装着し全体をコーディネイト。
2.ステムポストに付属するボルトの頭が、CHRIS KINGのキャップより肉厚なため、キャップ上部のラインから大きくはみ出してしまいます。そのためキャップのラインに沿うようにボルトを研磨しました。
5.それを解消すべく、このための延長コードを製作し取付可能に。この加工は、モールトンにShimano以外やカンパニョーロのコンポーネントを装着していても取付けが可能です。
6.純正CC-CD300DWのセンサーキットはこのような形状をしているためバラすことはできません。
9.純正センサーキット(左)と、延長処理後のセンサーキット。
10.続いて、延長しただけでは車輪に装着する計測マグネットとスピードセンサーが離れたままなので、ワンオフで製作したCC-CD300DW専用の[Mokuオリジナル]センサー台座で計測可能にしました。
よりクオリティの高い自転車を組み上げるために、Mokuオリジナルパーツなどを製作・使用し、このような作業を行っています。
●この自転車に乗ってから変化したこと、またカスタムする前後で変化したことなど。
_カスタム前は、ポジションが全然決まらずどうしたものかと悩んでいましたが、Mokuさんにカスタムしてもらってからは、一発でポジションが決まって、あと平均時速が5キロプラスって感じで、とても走りが軽くなりました。
●ちょっとした出来事。
_ツーリングや通勤で、ロードレーサーの方などによくお声を掛けてもらえますね。
目上の方が多いのですが、モールトンってどう??とかスゴイですね!とか言われると、ついうれしくなって名刺交換しそうになります。やっぱりヘルメットにレーサーパンツできめている方は自転車の運転マナーも良いですね、見習いたいです。
●その他もろもろ。
_高校入学までは自転車少年で、その時は、宮田自転車のジョネス??のキャンピングモデルと、エディーメルクスのランドナーに乗っていましたが、その当時からサドルをイデアル??やサンプレックスのディレイラーに変えたり、自分なりにカスタマイズしてたんですね(笑)。
そして高校に上がり、友達の原付ヤマハパッソルでオートバイに開眼そして車に・・・。
そうして20数年が経ち、たまたま仕事帰りに自転車屋さんにひょっこり入ったらそこにトラスフレームのいかした自転車が!!そうこれが僕とモールトンとの出会いでしょうか。
今では、晴れの日限定ですが、通勤でモールトンに乗っています。片道40分ぐらいです。仕事はCG関係で一日座っているので、運動にもなり、深夜に帰ることもありますが、やっぱり楽しいです。
◆今回ご紹介した大阪市在住のオーナーのモールトン&シトロエン。
●この自転車を選んだきっかけ&決め手は?
_そうですね、アニバーサリーモデル、ブレーキの仕様とセミドロップハンドルでしょうか。
●この自転車の一番のお気に入りの部分は。
_チタンパーツ部分、とくにステム部分のハンドル周りと、チタンスポークのホイール。
●ひと言で、カスタムとは?
_世界に一台の自分だけの物、究極のワンオフ?でしょうか。
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