今回のMoku《改》は、神奈川県在住のオーナーが組まれたAM-GT MK2をご紹介します。

すでにフラットハンドル仕様、ドロップハンドル仕様のAPB2台を所有されているオーナーが次に選ばれた車種は、

シートチューブを太パイプ35mmから、

AM-Speed MK2に採用されている27.2mmに変更を加えた17インチのステンレスフレーム「AM-GT MK2」。

フレームの仕様とボディーカラー、カーボンホイールのみを指定され、

その他パーツはお任せ（ご予算はお伺いして）で、1年の歳月を経て完成したスペシャルモデルです。

「赤色のパーツがかっこいい」と言われていたので、差し色にレッドを配し、

上品にバランス良く、お客様の雰囲気に合わせたモールトンを組み上げました。

1.組み付けるパーツで、唯一指定された［HED.］カーボンホイール。チタンスポークに、タイヤは［IRC］モールトン用スリックタイヤをセレクトしました。

2.イタリア製［WR］のロードハブ。レーシーなレッドをチョイスしました。本体にはカーボンを採用。このハブはフランジ部分にアルマイトが施され、カラーも豊富です。

3.コンポーネントは、カーボンをふんだんに採用している［カンパニョーロ］レコードをセレクト。存在感のあるカーボンモノコック形状のクランク。インナーギアに、少しだけアクセントを入れて。

4.レコードのフロントディレイラー（変速機）。細かい部品ですが、こんな些細なパーツも軽量化でカーボン素材を採用しています。

5.レコードのリアディレイラーもカーボン製です。リアスプロケット（ギア）には、軽量フルチタンモデルをセレクト。

6.シフト＆ブレーキが一体になっているレコードのエルゴパワー。これまたカーボン製です。キラキラ光るステンレスフレームにカーボンが冴えます。

7.極めつけは［サイクルランド・コーフー］オリジナルスタンド。こんな実用的なパーツでさえもカーボン製です。付属のカーボンスティックをスタンド台座に差し込むと、車両を分解しても、ダブルレッグスタンドのように後ろのフレームが自立するようになっています。

8.ここからはチタン素材のパーツをご紹介します。［Moku］がオリジナルで製作したチタン製ウィッシュボーンステムです。完全オーダーメイドで、今回のオーナーは、ステム突き出し85mmで製作（純正は90mm~）。重量が［AM純正］ウィッシュボーンステムの40％。軽量化することでハンドリングも軽くなります。

9.[MKS]チタンシャフト採用のプロムナードEZYペダル。ワンタッチで着脱可能なEZYシリーズの最軽量モデル。見た目はスチールシャフトと変わりませんが、シャフト部の細工がきれいで輝きもまた違います。

10.ヤグラの形状がスマートな英国製［USE］エイリアンシリーズのチタンシートピラー。チタン独特の上品な輝きとUSEのデカールがミスマッチのようでベストマッチ。ちょっと遊びをプラスして。

11.1937年に製造されていた現代レーシングサドルの父とも言えるモデルを復刻［BROOKS］スワロー・クラシック。このサドルにもチタンレールが採用されています。革のなめし方もデイリーユースモデルと異なり、きめ細やかな革を採用。上品なフォルムがマシーンにぴったり。極上のクラシック＆モダン。

12.ステンレスフレームに合わせて、細かなパーツにもチタンカラーを施しました。お任せと依頼されながらも、オーナーのモールトンに対する強い気持ちを感じ取り、［妥協は禁物］とこんな細かいパーツまで加工してしまいました。

画像左：チタンカラー仕様

画像右：純正アルミ

13.［Shimano］Dura-Ace製ヘッドパーツをチタンカラーに。フレームからチタンステムに繋げる小さなパーツですが、意外に目立つ存在です。インパクトを出すために色をプラスするのも良しですが、ここは遊ばずに、上品でスマートなマシーンに仕上がるよう加工を施しました。

14.ショートリーチのキャリパー

ブレーキを装着するために台座を製作しました。こんな小さな台座もチタンカラーに。フレーム分解部のパーツにも同様に加工を施しました。このようにして細かな作業を積み重ね、オーナーオリジナルのモールトンに仕上げます。