Title: 1964年 Classic Moulton Series1 Standard__Restore (Tartan Red)
車種:Alex Moulton_Series1
Date:2009年10月
No.026
1)まずは、フレームからフロントフォークを外してフォーク内に収まっているスプリングをバラします。シリーズ1のサスペンションは、BSモールトンと違い、コイルスプリングを使っています。 2)リアサスペンションをフレームから外します。フレーム全体にサビが出ているため、リアサスを固定しているボルトの頭が折れてしまいました。
3)ボルトの頭が取れてしまい、埋もれて取り外せない部分をドリルを使って削り出します。 4)次にメインフレームとスイングアームを分解する作業に取りかかりますが、ピボットブッシュAssyがサビで固着しているため、ボルトの頭が取れてしまいました。
5)完全に固着しているため、ボルトを切断してスイングアームを取り外します。 6)スピンドルを取り除くため、ピボットブッシュAssyを削っていきます。
7)スピンドルを取り除いた後にピボットブッシュを削り落とします。フレームが全て分解できれば、塗装の剥離を行い、サビの出ているところを取り除きます。 8)サビびついた元のパーツを全て取り外して塗装を剥離した後、サンドブラストでサビを落とします。
1964年に製造されたClassic Moulton Series 1のレストア作業をご紹介します。左が完成画像、右はレストア前の全体画像です。
9)シリーズ1のオリジナルヘッドベアリングを現代の物に交換するため、パーツ小物を旋盤で製作します。 10)製作した小物をロウ付けします。
14)フロントサスペンション。 左がレストア前、右がレストア後。
15)リアサスペンション。 左がレストア前、右がレストア後。
ラバースプリング他パーツを交換しました。
16)リアキャリア。 左がレストア前、右がレストア後。
17)Sturmey Archer の内装ハブ。 左がレストア前、右がレストア後。 全て分解して洗浄し、オーバーホールしました。
18)キャリパーブレーキ。 左がレストア前、右がレストア後。 サンドブラストでサビを落とし、メッキ加工を施しました。
19)キャリアパーブレーキを装着したところ。左がレストア前、右がレストア後。
12)フロントフォークA。左がレストア前、右がレストア後。
13)フロントフォークB。 左がレストア前、右がレストア後。
21)新たにハブダイナモを装着。 22)新調した砲弾型のライトをハンドルバーに。ダイナモライトの配線を黒から白へ。アウターワイヤーの色に合わせました。
23)ステム、ハンドルバー、シフター、ブレーキレバー、全てのサビを落とし、メッキ加工を施しました。 24)一般車用のキックスタンドを加工して取り付けました。タイヤも純正の黒から白色へ。
11)ロウ付け後。
25)クランクはサビを落としてメッキ加工を、チェーンカバーは汚れを落としてキレイに磨きました。 26)シートポストもサビを落としてメッキ加工を施し、サドルも汚れを落とし磨きました。
27)リアバッグもボロボロの状態から使える状態まで汚れを落とし磨きました。 28)ペダルにもこだわって、純正に近いものを英国から取り寄せました。
Q1. ご自身はAPBを、ご主人はAM-20を所有されていますが、いつ頃からFフレームに興味を持たれましたか?
4年ぐらい前に、イギリスの女性の方がFフレームに乗っている写真を見て、興味を持ちました。
Q2.納車当日、京都からご自宅の伊丹まで自走で帰られましたが、率直にFフレームに乗られた感想はいかがですか?
APBは、馬のようにさっそうと走ってくれます。
Fフレームは、ラクダのようにどろ~と走りだし、スピードにのりだすとビューンと走ってくれます。
Q3.完全なフルレストアによって生まれ変わったFフレーム。とにかくカワイイんですが、この自転車の一番のお気に入りはどこですか?
サスペンションの気持ち良さ、 サドルの心地良さです。
それと、
な・な・なんといっても 注目度は 最高!
Q4.普段の使い方や、これからの使い方、ちょっとした出来事、おもしろ話など。
毎日のお買いものに使っています。
全然興味がなかった旦那様も、今は、「おもろい!」と言って乗りまくっています。
今後は、カメラを首からぶら下げて カシャ・カシャと写真を撮りに行きたいです。
Q5.その他いろいろ感じたことなど何でも
日々の生活に、楽しさが加わりました。
■ Owner's Voice ■
<ひと口メモ>
このレストアについては、スーパーでのお買い物など普段に使いたいと言われていたので、オリジナルのパーツを生かしつつ、一部パーツには(ヘッドベアリングなど)性能を上げるため現行パーツを使ったりして、今後のメンテナンス性も考慮して組みました。オーナーの強い思いとこだわり、そして根気(かなりお待たせしてしまって…すみません)で生まれ変わる事ができたモールトン。Sturmey Archerの内装ハブしかり、 息を吹き返していくのを感じながら、改めて素晴らしい製品だなぁと思いました。 45年前の自転車なのに全く古さ感じさせません。 『 私にとってFフレームは、クラッシックのカメラや時計のようなもの!』と語って下さったオーナー。古いモノに触れているとなんだか温かい気持ちになります。新しいモノは、新品から自分流にアレンジしていく、カスタマイズしていく楽しさがありますが、古いモノはその逆で元に戻していく、再現する楽しさがあります…。で、結局はそのどちらも楽しめるモールトンってやっぱりイイなって話になるんですけどね…。
今回ご紹介させていただいたオーナーがご夫婦で営まれている尼崎市のパン屋さん「Feinbrot /ファインブロート 」。オシャレな店内にはチャーミングでおいしそうなパンがたくさん。2階には雑貨屋さんも。阪急塚口駅近く、愛車のカントリーマン・ミニと同じ色のアーモンドグリーンに塗られたカベが目印です!