Dynavector Moulton DV-1

アレックス・モールトン バイシクル日本総代理店「ダイナベクター株式会社」より、ダイナベクター・モールトンのプロトタイプ製作依頼を受け、数台製作する事になりました。2013年からスタートした製作過程の一部と完成後の詳細をご紹介します。

 HomeMokuTune.html

ダイナベクター社の富成氏より届いた材料。

富成氏が設計した図面を元に、パイプ角度や寸法を分度器などを使って、一つひとつ計っていきます。

実際の寸法が定まればパイプを切断し、パイプとパイプがきちんと正確に繋ぎ合わさるようにフライス盤を使って削ります。

このようにパイプを繋ぎ合わせる部分を削ったので、ボトムブラケットハンガーとシートチューブがきちんと綺麗に合わさりました。

シートチューブとボトムブラケットハンガーを「仮」ロウ付けしたら、ロウ付けの熱変位による寸法の狂いを定盤で確認します。

次にフロントのメインフォークとサブフォークを製作します。

ロウ付けする前に、確実にロウで固定されるように、各部ヤスリでロウ付け箇所を荒らします。

フォークコラムとフォーククラウンのロウ付けが完了したら、下玉押しがきっちり圧入できるように外径を旋盤で1/100mm単位で削っていきます。

フォークコラムが仕上がったら、あらかじめフォークエンドをロウ付けしていたフォーク足をロウ付けします。

フォークが形になったら、サスペンションスプリングを引っ掛ける小物をロウ付けします。

フロントメインフォークとサブフォークが仕上がったので、定盤で精度を確認します。

スポークが張り巡らされた存在感のあるフレームですね。

このスポークは見た目だけでなく、スポークの引っぱりによってフレーム剛性をコントロールする機能があります。

スポークを受け止める小物がいろんな箇所にあります。

ビンテージモーターバイクを思わせるようなメカメカしいサスペンション。

フロントサスペンションは、調整式のロッドなどを採用しています。

リアフォークが可動する支点には、いろんな角度から荷重を受けられるピロボールベアリングを採用しています。

アレックス・モールトンといえば、クラシック・ミニに採用されているラバーコーンスプリングが特徴のひとつでもありますが、富成氏がこのフレームを設計するにあたって、様々な可能性を模索する中でラバーコーン以外のスプリングについても研究し、実際にも試用検討されましたが、ラバーコーンがあまりにも理にかなったサスペンションだったため、ダイナベクター・モールトンにもラバーコーンを採用されたそうです。


見た感じが複雑な構造でないため、その秀逸さが見落とされがちなラバーコーンですが、削ぎ落されたシンプルかつコンパクトな設計は、やはりモールトンを象徴するひとつなんだろうなと、富成氏の話を伺って、またまたモールトン・バイシクルの凄さを再認識しました。今回プロトタイプを製作した事によって、よりモールトン設計に対する奥深さを感じ取ることが出来ました。

リアフォークエンドは少し厚みのあるステンレス材を採用。

トップチューブやダウンチューブをロウ付けしていきますが、要所要所でひずんでいないか定盤で確認します。ひずみが出ている場合は定盤で修正しながら進めていきます。

ボトル台座やケーブルガイド、スポークを受ける小物をロウ付けしていきます。

ラバーコーン受けを取り付けて、各部ロウ付け箇所にヤスリをかけて整えます。 メインフレームが完成しました。

最後にリアフォークを製作して完成です。


仕上がった塗装前の全体画像を撮り忘れてしまったので中途半端な終わり方ですが、寸法や材質を変えて合計3体のプロトタイプを製作しました。今回ご紹介したのは最終形の3代目プロトタイプです。


量産型は、クルマ部品や医療器械部品を製作している東京の会社で製造されます。

サスペンションのフルボトム時も考慮して、バンプストップ機能も備わっています。

開発者のダイナベクター(株) 富成氏によるDynavector Moulton DV-1の製作秘話が下記blogで詳しく紹介されています。

過去にモールトン博士もスポークテンションフレームを試作されていたなど、その時の画像も交えた読み応えのある内容です!

(モク・ツープラスフォー)

西京極本店 〒615-0883 京都市右京区西京極南大入町70番地

三条店 〒604-8083 京都市中京区三条通富小路上ル東側(京都市中京区中之町24-2)


Tel  : 075-326-3027(両店共通)

Moulton DV-1 プロトタイプ完成