16)
ピボットを車両から取外し、新しいブッシュをフレームに圧入した後、ピボット幅を計測します。
13)
コンポーネントの分解・洗浄が一通り終われば、次はフレームです。画像のように、リアフォークのガタを点検します。
ガタが大きく発生していたのでパーツを交換します。
19)
リアフォークをフレームにセットする前に、ボトムブラケットを取り付けるフレームハンガーの古いグリスを取り除きます。
22)
このように結構錆びています。
2.フレーム、サスペンションフォーク、ビボットの作業行程
14)
リアフォークを取り外すと、スピンドルの汚れ、摩耗が起きていたため、ピボットブッシュキットを交換しました。
15)
交換する前のピボットブッシュキット。
17)
同時に新しいスピンドルを計測します。ビボットよりコンマ数mm長かったため加工しました。長いままにしておくと、すぐにリアフォークのガタが発生します。 また純正のスピンドルは、パーツごとに多かれ少なかれ誤差があるため必ず加工が必要です。この作業は、リアフォークがスムーズに上下に動き、かつガタがないように現物で確かめながら加工します。
18)
コンマ数mm長いスピンドルを、旋盤機で加工します。
20)
次はフロントフォークの分解・洗浄です。フォーク内のグリスも結構汚れています。
21)
分解していくと、フォークエンドが錆びていました。
23)
錆をサンドブラストでキレイに取り除き、ボトムリンクは洗浄して再度組み付けます。
24)フロントフォーク、リアフォークをフレームにセットし、アライメント定盤に乗せ、フレームの“ひずみ”を点検・修正します。特にリアフォークのピボットを交換した場合は、リアフォークのセンター(位置)が変わる可能性があるため、装着する前に再度アライメント点検を行います。
以上がオーバーホールの基本的な作業工程です。
今回ご紹介している内容はごく一部の作業で、オーバーホールの大半は「洗浄作業」です。
パーツを組み付ける作業よりも、はるかに多くの時間を費やします。
市販されているパーツクリーナーやウエスを使用するクリーニング方法は、あくまでも日常的なメンテナンスですので細部まで汚れを落としきれていません。
自動車エンジンのオーバーホールについても、はじめの作業は分解、そして洗浄です。洗浄が不十分だと各部の摩耗や部品と部品のクリアランス(隙間)も正しく確認できないため、エンジンの診断ができず、オーナーの使用状況も分からないまま、結局は部品を変えてばかりになってしまいます。それは単に部品を交換しているだけでオーバーホールとは言えません。大切な自転車をいつまでもお使いいただくためには定期的なオーバーホールをおすすめします。