60歳を目前にしばらく乗っていなかった自転車に乗り始めた方や、60歳を過ぎてから本格的に自転車に乗り始めた方などなど…。

そんな生き生きとアクティビティな毎日を過ごされているオーバー60の皆さんの自転車に乗るキッカケや楽しみ方をご紹介します。

 
1950年生まれ

愛車:Alex Moulton AM-New Series Stainless、

   Alex Moulton TSR-30 Flat

愛車歴:6年目(2006年〜)

愛車はMoulton AM-New SeriesとMoulton TSR-30の2台。

運動はからっきし駄目で超インドア派。 Moultonに乗るまで一般車(ママチャリ)でちょっとそこまで行くぐらいの乗り方しかしていなかったそうですが、2006年に人生初のスポーツバイク『TSR』を購入。現在は『AM-New Series』を含め2台で楽しまれています。自転車生活6年目で走行距離は18600km。

今回はインタビュー形式でお答えいただきました。では早速。


Q. 自転車に乗ろうと思ったキッカケは何ですか?


  1. A.ずばりダイエット。ある時期を境に体重が緩やかに増えてきてね。こりゃあ放っといたら右肩上がりに増えてくなぁと思って、それで身近な自転車でも乗ってみようかとロードバイクとBD-1に乗っている知人に相談したら小径車を勧められたんです。取りあえず小径車の実車を見に行こうとこちらに伺ったらMoultonがあって、はじめて見るけど綺麗な自転車やなぁって、他にもありましたけどMoultonを見たら他のが目に入らなくなってしまって…。


  1. Q.Moultonとの出会いは偶然だったんですね。TSRシリーズにはいくつか種類がありますが何故TSR-30を選ばれたんですか?


  1. A.はじめはTSRの一番下のモデルを2台買って奥さんと一緒に乗ろうかと相談したんですけど別の提案を持ちかけられてね。そこで二人で乗るのは断念して。2台のつもりが1台になったもんだから一番上のTSR-30にしとこうかってなったんです。


奥様とそういうやり取りがあったんですね。

ここで少しMoultonの説明をします。アレックス・モールトン・バイシクルは、AMシリーズとTSRシリーズの大きく2種類に分けられていて、AMシリーズは年間わずか数百台を英国ブラッドフォード・オン・エイボンにある17世紀に建てられたモールトン博士の邸宅(お城)敷地内にある自転車工房で熟練工によって一台一台手作りされているモデルです。AMシリーズを“お城製”と表現することもあります。TSRシリーズはモールトン社のライセンスをもとに英国パシュレイ社が量産しているモデルです。

Moku Over 60_Topover60_top.html

▲1台目に購入されたパシュレイ製 TSR-30のフラットバーモデル。走行距離は4年で12000km。オーバーホール時に行った作業をblogでご紹介しています。

こちら>>>

◀ご自宅からMokuまで片道70km、簡単な調整などで自走来店された時は往復されるんですよ。凄いですね。

▲2台目に購入されたAM-New Series Stainlessモデル。走行距離は1年で6600km。こちらも納車1年目で行った駆動系オーバーホールの作業をblogでご紹介しています。 

こちら>>>

  1. Q.TSRに乗り始めてから5年目にAM-New Seriesを購入されましたが、そのキッカケは何ですか?


  1. A.TSRに乗り始めて、乗れば乗るほど沸々と“ホンマもん”のMoultonに乗ってみたいと思うようになって。やっぱり違いますね。全体的に走りが軽いから加速も違うしね。


  1. Q.2台のMoultonをどうのように使い分けされてるんですか?


  1. A.基本はNew Seriesで、TSRはメンテナンスやオーバーホールでお店に預けてる時に出す感じなんでTSRは代車ですね。


実際に、AM-New Seriesの納車と同時にTSRのオーバーホール(分解洗浄、補修部品交換)の依頼を受けましたし、New Seriesも納車後1年で走行距離が6600kmに達したので、タイヤ交換を含めた駆動系(チェーンとハブ)のオーバーホールの依頼を受けました。

TSR代車計画は、New Seriesを購入するキッカケにもなったそうですが、2台目を所有することでMoultonに乗り続ける環境を整えたというわけですね。

HomeMokuTune.html

ダイエットの目的で始められた自転車ですが、納車してから2年目で走行距離6000km、そのまた2年後も6000km。乗り始めてからの4年間は週末のロングライドが主で、勾配の厳しい淡路島1周を3回、しまなみ海道を2回、京都木津自転車道160kmやご自宅からMokuまでの往復140kmなど、4年間で12000kmと順調に走行距離を伸ばしてこられましたが、5年目の1年間で6600kmと早くも6000kmを超えられています。


  1. Q.AM-New Seriesに乗られるようになってから一気に走行距離が伸びてますが乗り方を変えられたんですか?


  1. A.毎日自転車通勤するようになったからかな。電車通勤だと1時間15分掛かるところが自転車だと40分で着くんですよ。自転車の方が早いし楽で、63kgあった体重もゆっくり落ちてきて今では57kgになったしね。


今でも57kgを維持されているそうですが、週末のツーリングを楽しみながら実用的にも使われて結果的に走行距離が伸びたというわけですね。健康維持と時間短縮に大活躍のMoultonですが、雨の日はいつもより早く家を出ないといけなかったり電車の時間を考えないといけなかったりで少し憂鬱になるんだそうです。


  1. Q.Moultonとの付き合い方を見させていただいてると、ひとつの事をじっくりと楽しまれている感じを受けるんですが、これまで続けてこられた事や物、趣味はありますか?


  1. A.鉄道模型の“HOゲージ”。これは小学生の時から続けてて、小学生時代は紙で自作したりしてね。今は観賞用として楽しんでますけど、場所もいるからほどほどにね。だから自転車はモデルの種類とかメカニカルな部分とか複雑なところまで楽しもうなんて全然思ってなくて。HOゲージで細かい事してきたしね。とにかく自転車は乗る事が一番の目的やったんで、Moultonは基本お店にお任せ。

  2. そうそう、あとワインも好き。10年ぐらい前からどっぷり嵌って、それもブルゴーニュだけ。でもそれまで全くの下戸やってね。はじめは他のも試してみたけど自分にはブルゴーニュが合うなと思ってからスパッとブルゴーニュだけに絞って、それでも深い世界なんでキリが無いんですけどね。それもあってか体重が増えてきて、でもワインも続けたいから自転車にでも乗ろうかとなったんです。スポーツジムに通うのも性に合わないし、とにかくMoultonに乗るまでスポーツというスポーツを全くしてこなかったから、こんなに自転車に乗るなんて自分でも驚いてますよ。でも気負い無く続けて来れたし、これからも無理せず生活の一部として続けていけたらなと思っています。


◎自転車を生活の一部にして

今までスポーツバイクはおろか、スポーツをほとんどしてこなかった、だから自分がこんな風になるとは思っていなかったと言われていますが、肩肘張らずにじっくりゆっくり自分のペースで楽しんでらっしゃる感じがこちらにも伝わってきます。ブルゴーニュワインの楽しみ方もほんの少し教えて貰ったんですが知識の無い私でも分かりやすく、アプローチの仕方にも無駄がなくて、的を絞って真っすぐに楽しまれている感じはMoultonもワインもHOゲージも同じで、仕事や家族、色んな事のバランスを保ちながら夢中になり続けるってなかなか出来ないなぁと思いました。


「いつか自分のMoultonでブルゴーニュの街を走ってみたいなぁと思ってて…、40kmそこらの小さな街なんでね。今は介護してる母親の事もあるから現実的ではないけど、いつか行ってみたいなと思ってるんです。良いやろうなぁって夢膨らみますよ。」と楽しそうにおっしゃってました。こんな風に好きな物同士を繋げて夢を膨らませるって素敵ですね。私もそんな物や事に出会いたいと思いました。